30日に東京・大田区総合体育館でWBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪(27=伴流)に挑む同級1位エフゲニー・チュプラコフ(28=ロシア)が25日、東京・新宿の帝拳ジムで練習を公開した。

クリスマスにもかかわらず、ビクトリア夫人と、11月30日に生まれたばかりの愛娘アリサちゃんを母国に残して来日。約2カ月間取り組んだ直前合宿先となる米ロサンゼルスから直接、日本に入ったため「写真と動画で見ただけで、まだ娘には会っていないんだ。妻からは『勝利を信じている』と言われている。ロシアに戻れないのは仕方ないと割り切っている」とベルト奪取に集中していることを明かした。

愛称は「ハッピーギルモア」。大好きな米コメディー映画「オレは飛ばし屋プロゴルファー・ギル」の主人公名で、演じた米俳優アダム・サンドラーのファンであることが由来だ。チュプラコフは「見ている人が幸せになる。常に笑顔でハッピーになるようにと思ってニックネームにした」と明かす。6~7年前からタッグを組むニコライ・ポポフトレーナーも明るい性格で「エフゲニーの妻はベルトを持って帰らないと家に入れないんだ」とジョーク交じりに報道陣を笑わせた。

20戦全勝(10KO)で、アマチュア時代を通じてもダウンしたことがないという強豪。米国を拠点に3~4年前まで6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)らの練習パートナーも務めてきたという。「伊藤は素早く、優れた世界王者」と分析したチュプラコフは「最大限の努力をしたい。できればKOで勝ちたい。ベルトを自分の手に持ってロシアに帰りたい」と意気込んでいた。

身長165センチと、伊藤よりも9センチも背が低いチュプラコフの動きを視察した所属ジムの団太路会長は「すごく小さくてビックリした」と口にしたものの、岡辺大介トレーナーは「小さいですけれどイメージと変わらない。ジャブが当たりそうです」と分析していた。