ボクシング日本フェザー級タイトルマッチの前日計量が、30日に都内で行われた。同級王者源大輝(28=ワタナベ)はリミットの57・1キロ、同級1位阿部麗也(26=KG大和)は100グラム軽い57キロでクリアした。

5月1日の東京・後楽園ホールでの対戦は、当初1月の予定が源のケガで延期になっていた。チャンピオン・カーニバル発表会から挑戦者阿部が舌戦を仕掛ける注目のカード。令和最初のタイトル戦へ向け、計量でも好対照な表情を見せていた。

源は昨年8月のV1戦以来9カ月ぶりの試合に「久しぶりの減量で本当にきつかった」と吐露した。1月の試合に備えた昨年11月の合宿で、階段ダッシュの練習中に転落して左足首を骨折した。全治3カ月。「ようやく試合を迎えられる」。陣営は計量後の恒例ツーショットを最初は拒んだ。源が受け入れたものの、険しい顔つきでピリピリしていた。

阿部はIBF4位、WBC9位と2団体で世界ランク1桁入りしている。下馬評やファン予想では劣勢の王者。「世界ランクもモチベーションになる。ひっくり返すのがボクサー。スッキリ終わらせたい。自信しかない」と、決意を口にした。夜には王座獲得時から恒例となったすき焼きでエネルギーを蓄える。

11連勝中の阿部は待望のタイトル戦にも、穏やかな表情でリラックスしていた。「やっと来たが、いつも通りにやって、いつも通りに勝つだけ。勝って当たり前」と自信満々。新年号と名前が1字違いに「ニアピン。ちょっとずつ、オレに時代が追いついてくる。延びたけどいい日にできる」と笑みがこぼれた。

試合が延びたことで1月に調整試合をはさんだ。その後もWBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪と3日間など100回のスパーリングをこなしてきた。「いい緊張感のスパーで自信にもなった。スピード勝負で普通に勝つ」と言い切った。