ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が軽量級をけん引してきたレジェンドのキャリアを警戒した。

11月7日、さいたまスーパーアリーナで、5階級制覇王者となるWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝を控えた28日、横浜市の大橋ジムで練習を公開。ドネア戦に向けて「警戒するところは自分の倍以上のキャリア。それだけの選手と戦ってきているところのみ。キャリアだけは侮れない」と口元を引き締めた。

WBSS決勝進出を決めた後、ドネアとは5月、8月と2度も顔を合わせている。「やっぱり今までのキャリアを感じるオーラがある。余裕感だったり、いろいろな場数を踏んでいる選手のオーラを感じます」。メンタル面の強さ、経験値をベースにした戦い方の引き出しを警戒しつつ、そのキャリアを超える武器も井上の頭にある。

「自分には若さとスピードがある。それを生かして戦いたい」。

所属ジムの大橋秀行会長(54)も「スピード差がポイントになる。それはドネアも縮めることはできない」と強調した上で「この決勝は世界的に注目されている。決勝ですごい勝ち方をすれば、世界的にも限りなくパウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強王者)1位になるのではないか」と太鼓判を押した。