ボクシング元WBOアジア太平洋スーパーフライ級王者船井龍一(34=ワタナベ)の引退式が、30日に東京・後楽園ホールで行われた。

5月に米国で令和初の世界戦も、IBF同級王者ジェルウィン・アンカハス(27=フィリピン)に7回TKO負け。15歳でジム入門から、19年のリング人生に幕下ろした。

引退式前には2回、最後のスパーリングを披露した。都立港工高の同級生で、ボクシング部を創部した仲間の中川健太(三迫)がパートナー。17年には日本同級王者だった中川に挑戦し、7回KOで3度目のタイトル戦で王座獲得した。船井はこの勝利をステップに、世界挑戦までこぎつけた。「恩人」とも言える大親友だった。

引退式ではジムの新旧王者達もリング上がって花を添えた。入門以来指導受けた高橋トレーナーから「入った時はひ弱だったが、キャリアを積んでたくましくなった」と送る言葉をもらった。船井は「キラキラしたあこがれの世界戦を目指して始めた。米国で挑戦できて、最高の舞台でした」とあいさつ。10カウントゴングが鳴らされ、最後のリングを下りた。

現役時からフィットネスジムのトレーナーを勤めているが、将来は飲食店経営を目指している。作るのも食べるのも大のカレー好き。現在はインドネシア料理のキッチンカーで修業している。