IWGPジュニアヘビー級王者高橋ヒロム(30)が23分54秒、挑戦者リュウ・リーを退け、初防衛に成功。18年7月7日に首を骨折、長期離脱となって以来の再戦で“約束の死闘”を制した。

ゴングと同時にジャーマンスープレックスを打ち合い、約5分間は80発超の張り手合戦となった。

意地の張り合いは、危険な領域に突入する。リーがエプロンサイドからフランケンシュタイナーを仕掛ける。場外の鉄柵に座ったヒロムに、猛スピードのトペスイシーダを見舞う。ヒロムもエプロンサイドのリーに、トップロープ越しのサンセットフリップ・パワーボム。コーナーポスト最上段から、リング下へのセントーンを決めた。

技を食うたびに、うっとりと笑う2人の勝負は、ヒロムの必殺タイムボブで決着したが、1度はリーが返し、2連発が必要だった。

試合後のヒロムは息も絶え絶えだった。「18年7月7日、お互いに全力を出し、心と体に負った大きな大きな傷が、2020年2月9日、大阪城ホールで癒えました。やっぱり、やって楽しい。ドラゴン・リー(旧リングネーム)は最高だ」と喜んだ。リング上で再戦を約束したものの「興奮して(再戦と)言ってしまったけど…2年くれ。(リーに)頼む、挑戦表明しないでくれ」と懇願した。それほどキツイ戦いだった。

ただ、盛り上がるジュニア戦線は大歓迎だ。「俺の名前、IWGPジュニアの名前を出したヤツ、俺は覚えてるぞ。石森、SHO、YOH、エル・デスペラード、金丸…。俺を倒したいなら、そいつら全員でユニット作って、高橋ヒロム包囲網でもすればいい」と言い放った。

また「内藤哲也、今日のメインイベント必ず勝て!」。3月3日の旗揚げ記念日(東京・大田区総合体育館)で内藤が構想する、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン同士によるドリームマッチへ、意欲満々だった。