RIZIN初参戦の「戦うサラリーマン」が仕事に決して穴を空けず、番狂わせを起こす意気込みを示した。大みそかのRIZIN26大会(さいたまスーパーアリーナ)で朝倉未来(28)との5分3回(ひじあり)で対戦する前DEEPフェザー級王者弥益ドミネーター聡志(30)がクリスマスイブの24日夜、オンラインで練習を公開。まずサングラス姿で登場し、スパーリング公開後、サンタクロースの帽子を着用し、取材に対応。ちゃめっ気たっぷりの態度をみせ「本当に(朝倉が)ケンカをしにきてくれる、1回から倒しにきてくれるような戦いにきてくれればありがたいし。望んでいるところ」と序盤から殴り合う姿勢をみせた。

筑波大大学院で細胞生物学を専攻。現在は食品メーカーで働くサラリーマンだ。本来は30日が仕事納めだが、今回はRIZINの前日計量やオフィシャルな行事に参加するため、29、30日の両日を休日に設定。代わりに26日の土曜日に休日出勤する予定だ。クリスマスの25日も「仕事がバタバタするので家に帰るのが遅くなるかな。土曜日夜に家族とゆっくりします」と多忙を極める。もちろん試合のダメージにかかわらず、新年は1月4日の月曜日が仕事始め。弥益は「自分は会社員なので当然。その中で強くならないと。結果を残さないといけない」との信念を貫いている。

頭脳的かつトリッキーな動きで相手を翻弄(ほんろう)するタイプのファイター。11月の斉藤裕とのRIZINフェザー級王座決定戦に判定負けした朝倉に対し「過去の試合を見直させていただき、結構、モチベーションというのが正しいのか分からないですが、試合の振る舞いが違うというか、体のコンディションではなく、気持ちの問題でクオリティーに差が出るかなと。自分の時には最大限、油断していただきたいと思います」と独特な表現で“挑発”した。

自らも今年9月の牛久絢太郎に判定負けしてDEEP王座から陥落。今回が負けられない再起戦となる。年末で仕事も多忙な時期に最終調整も重なり「こんな時期に試合を考えたことなかった。仕事が忙しいのと試合への気持ちで脳みそがいっぱいいっぱい」と苦笑いしつつも「相手にも付き合いつつ、その土俵の中で自分を出すこと。相手を自分の土俵に引き込めるか。それが重要になってくると思う」と勝利のポイントをピックアップ。頭の中で番狂わせを起こす勝利の方程式を解いていた。