ボクシングの20年度年間表彰選手が28日発表され、WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(27=大橋)が3年連続4度目の最優秀選手賞(MVP)に選ばれた。3年連続MVPは白井義男(5年連続)、ファイティング原田(4年連続)、具志堅用高(5年連続)、渡辺二郎(4年連続)、徳山昌守(3年連続)に続いて6人目となる。

28日までにオンラインで報道陣の取材に応じた井上は昨年10月、米ラスベガスで臨んだジェーソン・モロニー戦での7回KO勝ちを振り返りながら「3年連続で受賞できたことは、すごくうれしく思う。20年は1試合だけでしたが、ラスベガスでのメインイベントの試合がすごく評価されたのかな」と自己分析した。

平成以降となるとMVPの3年連続は徳山(01~03年)に続いて2人目、4回目受賞は長谷川穂積(05、06、08、09年)と並ぶトップタイとなる。12年10月のプロデビューから8年で4回目というハイペース。白井、具志堅の保持する最多の5年連続も狙えそうな勢いがある。35歳まで現役を続ける意向の井上は「自分が考える現役は、あと8年。それに向け、(今後も)受賞できたらいいなと思います」と決意を新たにした。

21年にはWBCやIBFの世界王座も狙っており、日本選手初となる3団体統一王座獲得の期待もかかる。井上は「今年28歳になる年で、ボクシング界引っ張る存在であることは自覚している。周囲の反響や評価などは試合を重ねていく中で実感している。ボクシング界だけに限らず、日本のスポーツ界で、もっともっとトップの存在にいけるようにしたい」と、さらなる飛躍を誓っていた。【藤中栄二】

井上が3年連続MVP 年間最高試合は井岡のV2戦はこちら―>

2冠の井上「井岡選手に票がいっても…」一問一答はこちら―>

井岡、技能賞含め2冠「今年もさらなる高み目指す」はこちら―>