ボクシングの20年度年間表彰選手が28日発表され、WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(27=大橋)が3年連続4度目の最優秀選手賞(MVP)に選ばれた。3年連続MVPは史上6人目で、平成以降では史上2人目となる。また井上は、昨年10月のジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦での7回KO勝ちもKO賞に選ばれ、2冠に輝いた。井上は28日までにオンラインで報道陣の取材に応じ、受賞の心境を明かした。主な一問一答は次の通り。

-3年連続MVP

井上 20年は1試合だけでしたが、ラスベガスでのメインの試合がすごく評価されたのかなと思う。自分も納得する内容での勝ち方もできたのでうれしい。

-KO賞とダブル受賞

井上 KOについてのこだわりは持っているが、見ている方がわかりやすいKO勝ちだったのかなと。その意味でもKO受賞もうれしい。

-19年は発熱で式典欠席、20年はコロナ禍で授賞式中止に

井上 年1回の表彰式に、2年連続でちょっと立ち会えない状態。また来年を楽しみに頑張りたいです。

-MVP受賞は予想した

井上 今年の表彰に関しては(WBO世界スーパーフライ級王者)井岡(一翔)選手に票がいっても全然、おかしくないと思いましたし、自分の中でも、あの(田中恒成との)1戦は素晴らしい試合だったと思う。どっちにいってもおかしくないと。むしろ井岡選手の方が、時期も年末でしたし、結構、傾くのではないかと思っていました。

-モロニー戦の自己評価

井上 あれだけディフェンシブな選手に、あの勝ち方ができたのは自信になりました。僕の中でも、見ている方も満足できる内容ではなかったかなと思う。KOの感触は残っている。

-21年の抱負

井上 まだまだ(コロナで)油断できない状況ではあるけれど、その中で試合をこなせていけたら。状況を踏まえながらになるが、まずは試合できることを感謝して、挑みたい。今年こそは、もう1本ベルトを増やしていきたい。その1戦にたどり着けるように、次戦もしっかりこなしたい。

-今やボクシング界を超えた存在感がある

井上 今年28歳になる。ボクシング界引っ張る存在であることは自覚している。周囲の反響や評価は、試合を重ねていく中で実感している。ボクシング界だけに限らず、日本のスポーツ界で、もっともっとトップの存在にいけるようにしたい。【構成=藤中栄二】

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