「棒」がようやく手元に返ってきた。

NEVER無差別級6人タッグ選手権試合で、YOSHI-HASHI(38)が、石井智宏(45)、後藤洋央紀(41)と組んで勝利。最多タイとなる4度目の防衛に成功し、試合後にKENTAに奪われていた如意棒を取り返した。

終盤、高橋裕二郎がレフェリーの気を引く間にKENTAが棒を取り出し、攻撃を開始。気付いたYOSHI-HASHIは、すぐに奪い取り、思いっ切り殴りつけた。勝利後、相棒を取り戻し、ホッとした表情を見せたYOSHI-HASHIは「どんな時もこの棒を持って入場してきた。苦楽をともにしてきた戦友」と熱い思いを明かした。

一方、敗れたKENTAは目が覚めたのか「もう冷めたわ。この1カ月、俺はどうかしてた。そんなのどうでもいい」。リング上でキスをしたり、東京タワー“デート”の写真をSNSにアップするなど愛情を注いでいたが「家の物干しさおにまでヤキモチを焼くし、束縛がきつかったから、ちょうど良かった」と悲しむ様子も見せなかった。

11年に海外修業を終えて帰国したYOSHI-HASHIは、12年からCHAOSの一員として棒と一緒に戦ってきた。昨年8月にようやく手にした初のベルトを今回もしっかり守り「歩みを止めないで、いろんなものを積み上げて来たから今、俺はここにいる」と語った。棒を巡る争奪戦にようやく終止符が打たれたが、ジュニアを引っ張る2人の戦いはこれからも続いていく。誰に何と言われようとも、棒もベルトも渡すつもりはない。【松熊洋介】