ボクシング4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(31=Ambition)のマネジメント事務所が27日、ドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示し、大麻成分が検出されたなどとする報道を受け、薬物の摂取を全面否定するコメントを発表した。

同事務所公式SNSなどで警察の聴取などを受けたことを認めた上で、潔白を強調。一方、統括機関の日本ボクシングコミッション(JBC)は井岡の疑惑について倫理委員会で調査、審議中だと発表した。

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井岡のマネジメント事務所、トラロックエンターテインメントは27日午後、文書を発表し、薬物の摂取を全面否定した。「井岡は、大麻等の不正薬物、違法薬物を摂取したことは一切ありません」と強調。前日26日に日刊スポーツの取材に対し、弁護士を通じて示した文書での回答と同様、コンディション維持の効能などがあるとされる大麻草の成分が入るCBDオイルを使用に触れ、「井岡が使用していたCBDオイルから大麻成分が検出された可能性はあります」との見解を示した。

警察の事情聴取を受け、既に捜査が終了したとの報告を受けていたことも公表した。JBCから倫理委員会を開催する連絡を受けている状況も明かし「井岡の潔白は、倫理委員会で主張していくことになります」との方針を示した。最後に「報道によってお騒がせしておりますが、井岡は次戦に向けてトレーニングを続けていきます」と結んでいる。

一方、JBCは同日、永田有平理事長名による文書を発表した。「倫理委員会で調査、審議を行っております。当該倫理委員会の審議に影響を及ぼすことを避けるために、現時点においてはこれ以上の発表は差し控えさせていただきます」と現状報告。JBCがドーピング検査に用いる検体の一部を警察に提供していたこともあり、調査に遅れが生じているとみられる。JBCは「尚、当該倫理委員会の結論に至りました段階で、速やかに報告する所存でございます」としたが、ゴールデンウイーク直前かつ、倫理委員会メンバーには外部識者も含まれるため、結論は5月に持ち越される見通しだ。