ジェイ・ホワイト(28)がNEVER無差別級王者の棚橋弘至(44)を破り、新王者に輝いた。終盤、棚橋のテキサスクローバーでギブアップしたかに見えたが、レフェリーがセコンドの外道に気を取られており、不成立。その後ブレイドランナーで3カウントを奪った。「タナ、お前はもう終わりだ。俺を超えられない。リマッチもさせてやらない」と自信満々に語った。

ホワイトらしい“意地の悪い”戦い方だった。4月4日の大会で棚橋が挑戦を受諾し、対戦が決定すると、リングから姿を消し、1カ月間休養。一方の棚橋は、10日からの16試合すべてに出場しており、試合前のコンディションで優位に立っていた。その上、真っ向勝負ではなく、棚橋の古傷の膝を徹底的に痛めつけ、立てないようにした。相手の得意技ドラゴンスクリューや、おきて破りのテキサスクローバーも仕掛けた。さらには昨年11月の2冠挑戦権利証争奪戦(VS飯伏)の時のように、自分の足をロープにかけた状態で相手を押さえ込む反則技も見せるなどやりたい放題でベルトを手にした。勝利後はファンの拍手に対しても「お前らの拍手なんて侮辱と同じだ」と吐き捨てるように言った。

NEVERのベルトを手にし、新たな歴史を作った。IWGPヘビー級、インターコンチネンタル、USヘビー級と合わせて史上初の4冠制覇を達成。「誰も信じてなかっただろうが、宣言通り達成した。俺は今、プロレス界の中心にいる」と語った。その後もバックステージでの“演説”は止まらず10分近くも話し続けた。

防衛戦の相手にはフィンレーを指名。3月のニュージャパンカップで敗れた相手にリベンジを狙う。「ベルトをかけてお前の相手をしてやるよ。このギフト、受け取るよな」。どんな形であれ、棚橋から3カウントを奪って、王者になったことは事実。ホワイトの暴走は今後もエスカレートしそうだ。