ワールド・オブ・スターダム王者の林下詩美(22)が刀羅ナツコ(30)の負傷によるドクターストップで、6度目の防衛に成功した。

場外で持ち出されたテーブルの上に寝かせられ、豪快にテーブルクラッシュを食らった。さらに刀羅がフットスタンプで追い打ちをかけようとした際に左足をひねって負傷。刀羅は「やる!」と叫ぶも動けず、林下の防衛となった。

ようやくリングに上がった林下は刀羅の様子を心配そうに見つめた。「足が治ったら最初に挑戦させろよ」という刀羅の言葉を聞き、涙を流した。「私だってケガで試合ができなかったことがあるから、悔しい気持ちはよく分かる。私がベルト取られるわけがないから、早くその足治してベルト取りに来いよ」と、担架で運ばれる刀羅に思いを伝えた。

刀羅率いる大江戸隊は、普段から仲間の乱入や反則などやりたい放題。この日も場外で襲撃され、劣勢に立たされた。それでも「すぐ凶器使うし、大嫌いだけど、ナツコだってこの試合にかけてきただろうし、1番悔しいと思う。反則でもテーブルでも何でも受けて立つから早くリングに帰ってこい」と叫んだ。

6月12日朱里との5度目の防衛戦では30分で決着つかず、その後の延長戦でも14分を戦い、両者ダウンで引き分け。「こんなんじゃ、世界の林下詩美は名乗れねえ」と納得がいかなかった。2戦連続で不本意な防衛となったが「私ができるのは、復帰まで守り抜くこと」と刀羅の思いも背負い、頂点に君臨し続けることを誓った。

31日からはシングルトーナメント「5★STAR GP」が開幕する。昨年の同大会で優勝し、一気にスターダムの頂点まで駆け上った。「20年、最高の夏女になったのはこの林下詩美。2年連続で夏女になる」。21年の夏も主役となり、ライバルの復帰まで赤いベルトを守り続ける。【松熊洋介】