ボクシングWBC世界スーパーフェザー級王者オスカル・バルデス(30=メキシコ)がドーピング検査で陽性となったが、WBCは3日に初防衛戦開催を条件付きで承認した。

10日に米アリゾナ州トゥーソンで、同級14位ロブソン・コンセイサン(32=ブラジル)の挑戦を受ける。セミファイナルはWBO世界フライ級王者中谷潤人(23=M.T)の初防衛戦となる。

バルデスは8月13日の抜き打ち検査で禁止薬物のフェンテルミンが検出され、B検体でも陽性反応だった。フェンテルミンは食欲を抑制する向精神薬として知られる。バルデス陣営は「検出は少量で、無害なハーブティーからでは」と主張していた。

WBCは調査委員会を設置して事情聴取した。その結果、制裁金を課し、半年間はランダムなドーピング検査を受け、1年間の保護観察期間などを設定。7月22日、8月30日は陰性、競技力向上効果は不明などとし、王座剥奪することなく試合を認可した。この決定に批判の声は多い。

この興行は米トップランク社のプロモートによるダブルタイトルマッチ。セミファイナルでは中谷が同級1位アンヘル・アコスタ(30=プエルトリコ)の指名挑戦を受ける。バルデスに関係なく開催見込みだった。

中谷は8月20日から米ロサンゼルスで、スパーリング・キャンプに入っている。1日には渡米後最長の12回を消化。3日もスパーをこなして「ケガなく終えた。あと1週間」とSNSに好調ぶりを投稿していた。7日に応援のために渡米する家族と合流し、初の米国戦となる決戦の地トゥーソンに入る予定となっている。