無敗の神童は今回も強かった。那須川天心(23=TARGET/Cygames)が鈴木真彦(24=山口道場)に30-28、30-28、30-28の3-0判定で勝利し、デビューから45連勝を飾った。

1回から積極的に仕掛け、2回にさらにギアを上げ、パンチやハイキック、膝蹴りなど、すべてで圧倒。「ボクシングに転向するということで、残念な気持ちの人が多いと思う。そんな気持ちを込めて、今日はパンチを出して倒してやろうという気持ちが強すぎて空回りしてしまった。蹴りを使わないと難しいのが分かったので、しっかり磨いて、また頑張りたい。残り2戦よろしくお願いいたします」と語った。

21日に歌手デビューすることを発表。2月の志朗戦の前まで控えていたテレビの露出も増やした。ユーチューバーの活動も、登録者数が70万人を超えるなど順調だ。すべては格闘技のためであり、格闘技のおかげでもある。「職業は格闘家。愛してやっている部分は誰にも負けないし、妨げることはしたくない。格闘技があるからこそ、芸能活動が成り立っている」。残された時間で魅力を伝えることが、自分の使命だと感じている。多忙な毎日だが「時間を有効に使えば、いろんなことができる」とリング外の活動にも全力を注いできた。

来春のボクシング転向まで残り2戦。国内敵無しでも常に進化を続ける。「今終わりと言われたら、ああ、そうですかってなるだけ。いつ死んでもいいと思ってやっている」。ファンが待ち望むK-1王者、武尊との対決は果たして実現するのか。「残り2戦の相手はまだ決まってないけど…」と語るにとどめた。次戦も最高の状態で、新たな敵を待ち受ける。