オカダに続き、ジェフ・コブ(39)も7戦全勝で勝ち点14とした。

終盤、エース棚橋弘至(44)を捕らえ、ツアー・オブ・ジ・アイランドで3カウント。仙台のファンに向かってマイクを取り「棚橋のマイクアピールを期待していたか。楽しみをつぶしてしまって悪いが、エースからピンフォールを奪ったのはこの俺だ」と叫んだ。

レスリングで2004年アテネ五輪出場経験もある怪物は、完璧な試合運びだったエースをもパワーでねじ伏せた。スリングブレイドからドラゴンスクリューを浴び、膝に強烈なダメージを受けた。万事休すかと思われたが、コーナートップからハイフライフローを狙って飛びかかってきた棚橋を受け止めると、そのまま豪快に放り投げた。

誰も止められないスピードと怪力に、棚橋も「持ってる技、ほとんど出して負けちゃった」と完敗を認めるしかなかった。

相手が完璧な体勢でかけた技をしっかり受け止め、自分の流れに持って行く、まさに横綱相撲。この日、解説を務めた高橋ヒロムも「自信のある技を簡単にキャッチされて、心にもダメージ受ける。強すぎる」と驚きを隠せなかった。

残り2戦。14日は1敗で追うEVILと、20日最終戦は現在トップで並走するオカダと対決する。

「目指すは全勝優勝のみ。EVIL、今のうちに祈りをささげておけ。お前を完璧に終わらせる」

プロレスもマイクも絶口調のコブの勢いは、誰にも止められない。【松熊洋介】