ボクシングの東京五輪女子フライ級銅メダルの並木月海(23=自衛隊)が「最強の幼なじみ」と合同練習を行った。

2日、五輪後の初試合となる全日本選手権(24日開幕、墨田区総合体育館)を前に訪れたのは、千葉県松戸市の「TEPPENジム」。目的は「キックボクシングの神童」那須川天心(23=TARGET/Cygames)と拳を交えるためだった。

幼少期から試合経験もあり、家族ぐるみの付き合い。この日は高校生以来という手合わせに、並木は「天心はずっと上にいっていて、ようやく一緒のところで練習できて、やっぱり強いなと。さすが天才」と持ち上げれば、那須川が「やめてくださいよ」と照れて返し、「銅メダルは全力を出し切ったと思う。金メダルを取ってほしかったですけど、まだまだ若いのでこれからだと思う」と期待した。

マスボクシングなどを行い、積極的に意見交換した。並木は「なかなかいないタイプ。プレッシャーのかけ方などが独特。海外選手にもいろいろなタイプがいるので、うまく対処していかないといけないですね」と収穫十分の様子。那須川も「パンチの散らし方、間合いの取り方など、僕が教わるものも多い。良い練習ができました」と振り返った。

互いに競技は違えど、頂点を狙い続ける目標は同じだ。並木が「また来たいです」と言えば、「仕方ねーな(笑い)」と応じるなど、今後も共闘を誓った。心置きなく話せ、目指すものが共通するのは貴重な存在なのだろう。

最後、キックボクシングへの転向の意志はないのかと問われる並木を横に、那須川は「足短いし、無理だよ(笑い)」。その指摘に、並木が「そっちだって足短いでしょ」と返し、「確かに」と互いに笑い合う姿も絆の太さを物語っていた。