開幕戦から激闘が繰り広げられた。Bブロック公式戦が行われ、20年大会の覇者、宮原健斗(32)、青柳優馬(26)組が、日本最古ベルトのアジアタッグ王座を保持するエル・リンダマン(26)とT-Hawk(31)の#STRONGHEARTSと対決。30分のフルファイトの末、時間切れ引き分けに終わった。

序盤からあおり合戦を展開した。身長186センチの宮原は161センチのリンダマンと向かい合うと、ジェスチャーで身長の違いをアピール。リンダマンに「バカヤロー」と頭をたたいて挑発されると、鉄柵に股間から落とす急所攻撃をさく裂。エプロンでパイルドライバーを強行するなど、容赦なく痛めつけた。だが、中盤になると形成は逆転。リンダマンに急所攻撃をお返しされてもん絶するなど、最後まで試合を決めきれず。心も体も「痛い」引き分けに終わった。

全日本のエースが苦しんでいる。宮原は昨年3月に、10度防衛に成功した3冠ヘビー級ベルトを奪われて以来、一度も王座に返り咲けていない。今年6月には3WAYマッチでジェイク・リーに敗れ、挑戦者として臨んだ10月のタイトルマッチでは、60分引き分けで奪還ならず。「こんな姿で年を越したらどうするんだ、宮原健斗が。プロレス界が終わっちゃうよ」と責任感を口にする。

失墜した信頼を取り戻すべく、世界最強タッグ決定リーグ戦の連覇を目指す。「俺は2連覇のことしか考えていない。2連覇したら何か今まで手に入らなかったものがもらえそうな気がして…」と、思いを口にする。この日は青柳との新コンビネーション技「仕事納め」を披露。ブロック公式戦は残り2試合で、決勝トーナメント進出のためには連勝あるのみ。笑って仕事をおさめられるか、勝負の時を迎えている。【勝部晃多】