WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)が初防衛、王座統一にも成功した。

WBC同級暫定王者レイマート・ガバリョ(25=フィリピン)の挑戦を受け、4回2分59秒、KO勝ち。左ボディーブローを脇腹にねじ込み、ダウンを奪取。そのまま10カウントで母国の若き暫定王者に初黒星をつけた。

ドネアは「目標は王座統一です」とWBAスーパー、IBF世界同級王者井上尚弥(28=大橋)に向けて統一戦をアピール。契約を結ぶ米プロモートのプロベラム社のリチャード・シェーファー社長の名を挙げ「(交渉は)リチャードに任せている」と実現を期待した。

ガバリョ戦前からドネアが心身の充実を強調していた。「100%の準備ができている。世界戦ができる瞬間、これまでのキャリアすべての瞬間を楽しんでいる」とリラックスした表情をみせた上で「これまでもガバリョのような力を持ったトップの選手と戦ってきた。私の経験では、その力を恐れることはありません、相手のスタイルをみて、私の戦略をどのように生かすかに焦点を合わせている」と集中力を高めた。

約20年間のキャリアで世界5階級制覇をしてきたが、18年11月のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)からバンタム級に専念。ウエートを本来の階級に戻したことで「フィリピーノ・フラッシュ(フィリピンの閃光(せんこう)」と呼ばれる輝きを取り戻してきた。19年11月のWBSS決勝で井上と対戦し、ダウンを喫した判定負けとなったが、激闘を展開。5月のウバーリ撃破による王座獲得で、さらに復活を印象づけた。

「あと10年は(ジムで)やれる気がする」と年齢の不安を一掃する発言も口にしたドネアは「ガバリョ戦には非常に自信がある。この戦いの後、私はもっと大きな獲物を捕まえる必要がある」と強調。井上との再戦となる3団体王座統一戦に目を向けることになる。