“神童”がプロ通算46勝目を置き土産に、キックボクサーとしての自分を育てたRISEの舞台にさよならを告げた。

団体卒業試合となったメインイベントで、世界フェザー級王者の那須川天心(23=TARGET/Cygames)が同門で同い年の風音(23=TEAM TEPPEN)と対戦。相手のセコンドには父の那須川弘幸会長がつく「史上最大の親子げんか」は、激闘の末、判定2-0で勝利を収めた。

最後のRISEを楽しむように、どこか晴れ晴れとした表情でリングインした那須川。私生活から親交のあるRIZINファイター朝倉未来らがセコンドとして見守る中、勢いよく飛び出した。

【RISE】“神童”那須川天心、勝利で「生まれ故郷」卒業!同い年風音に判定勝ち/ライブ詳細

1回から風音の手数に苦戦する。2回は気持ちがからまわってか、右ストレートで顔面を捉えられると顎があがった。距離を詰めてくる風音にカウンターを合わせられず、決め手を欠いた。3回、胴回し回転蹴りで膝をつけさせるも、ダウンは奪えず。圧倒的な勝利を挙げてきた那須川にとっては「らしくない」試合展開になったが、経験値で上回った。

試合後のセレモニーでは「最後の試合でスカッとKOで勝って圧倒的に勝ちたかったんですけど、本当に力んじゃった。こんなに殴られたのも初めて。せっかくのイケメンが…」と悔しがった。それでも「いろんなところからオファーはあったけどRISEに来てよかったと改めて思います」と、満面の笑みで8年間を振り返った。

6月19日のビッグマッチ、K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者の武尊(30=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)戦を最後にボクシング転向を明言している。「ボクシングに行ってもRISEファイターとして戦う。注目してください」と叫んだ。いつまでもどんな舞台でもRISE魂を胸に、那須川天心伝説は続いていく。