プロボクシング世界3階級制覇王者のWBA世界ライト級王者ジャーボンテイ・デービス(27=米国)が前日計量で壇上から挑戦者を突き落とし、会場を騒然とさせた。28日(日本時間29日)、米ブルックリンのバークレイズ・センターで控える前WBA同級暫定王者で同級1位のローランド・ロメロ(26=米国)とのV3戦を控え、同地で前日計量に臨んだ。

元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーの愛弟子で「超逸材」と呼ばれてきたデービスはリミット(135ポンド=約61・23キロ)より少ない133・75ポンド(約60・66キロ)でパスし、ロメロも134・25ポンド(約60・89キロ)でクリアした。

両者が15秒ほどのフェースオフの後、集結したマスコミ、カメラマンの前で両者がファイティングポーズを取った時だった。デービスは自身よりも1歩前に出てガッツポーズしたロメロの背中を左手で押し、ステージから1・2メートル下に突き落とした。激怒したロメロに詰め寄られ、会場は騒然としたものの、周囲の関係者に制止されて何とか事態は収まった。

デービスのトレーナー、カルビン・フォード氏は「彼を傷つけようとはしていない」と故意に負傷させようとしたわけではないと否定した。しかし突き落とされたロメロは「ヤツはオレを押した。恐れているのだろう」と怒りは収まらなかった。26戦(24KO)の王者デービスに対し、挑戦者ロメロも14勝(12KO)。無敗のライト級対決として注目されている好カードだが、試合前日から波乱含みの展開となった。