人気総合格闘家の平本蓮(24=ルーファスポーツ)が「0勝のメインイベンター」を返上する。

2日開催の総合格闘技RIZIN36大会(沖縄アリーナ)でメインを務める平本は1日、同地で前日計量に臨み、契約体重66キロに150グラム少ない65・85キロで一発クリアした。対戦相手の“怪物くん”こと鈴木博昭(37=BELLWOOD FIGHT TEAM)と対面すると、24秒間のフェースオフを展開。相手が拳を突き出したのを無視し、「ファック」と吐き捨てるように言って会場を後にした。

今大会では朝倉海がメインを務める予定も、拳のケガのために回避。前日6月30日に急きょ試合順が変更となっていた。大会前インタビューでは「朝倉海が欠場して僕がメインイベント、最高です。テンションぶちあがりです」と興奮気味。「最終調整をしっかりして、最高の勝利を届けられたら」と、気持ちを高ぶらせた。

総合転向3戦目にして、2度目のメインイベントとなる。前戦は、今年3月のランドマーク2大会で、初代ノックアウトブラック・スーパーライト級王者の鈴木千裕(23)と対戦。総合転向から1年3カ月ぶり、満を持して臨んだ2戦目だったが、0-3の判定負けを喫した。それでも「自分は強いとわかっているのでそれを出すだけ。ここ2戦はいい内容を出せていないが、自分の強さを出せるときが必ず来るので今回がその時」と、自信は失われていない。プロ初勝利を挙げ、人気先行の現状から脱却を図る。

歯に衣(きぬ)着せぬ発言で注目を集めがちだが、「MMAは成長が早いので、どんな試合でも目にするようにはしている」と研究熱心な姿も見せる。海外で活躍する格闘家の松嶋こよみからは、考え方を吸収した。「僕に新たな気づきを与えてくれた。めちゃくちゃ理にかなったことをやっている方。テークダウンをさせないことに対し、そこまで考えるんだとか」と、新たな境地が開けたという。

目標は、次の時代を担うこと。「天心と武尊が終わって、朝倉兄弟が終わって、次は平本蓮の時代です」。平本に必要なのは勝利だけだ。