プロボクシング元東洋太平洋ライト級王者でWBC世界同級9位の中谷正義(33=帝拳)が日本王者との激しいスパーリングを披露した。

11月1日、さいたまスーパーアリーナで、15戦無敗のWBOアジア・パシフィック同級王者吉野修一郎(31=三迫)に挑戦する。4日には東京・新宿区の所属ジムで日本同級王者宇津木秀(28=ワタナベ)との3回のスパーリングを報道陣に公開。プレッシャーをかけて攻める宇津木に応戦し、激しく打ち合うと、最終3回にはお互いにラッシュをかけるパンチの応酬もみせるなど意地のぶつけ合う展開となった。

WBC世界同級10位の吉野との世界ランカー対決となる。同級の国内頂上対決で世界に向けてサバイバルマッチでもある。中谷は「漠然とですが、意識していた。(吉野戦は)ついに決まったかと。簡単な相手ではないので、うれしさもありますが、絶対に勝たなくてはいけない。手放しで喜べるような試合ではない」と笑顔をみせつつ、緊張感も漂わせた。

今後も日本王者宇津木を練習パートナーに実戦練習を積んで本番に備える。中谷は「(吉野は)穴のない良い選手なので、どう突いていけるか。実戦でこれから詰めていきたい。これから試合までしっかりと仕上げていきたい」と充実した表情だった。

無敗の吉野に対し、中谷には過去、前3団体統一同級王者テオフィモ・ロペス(米国)とのIBF世界同級挑戦者決定戦、元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との同級12回戦など世界トップ級と戦ってきた豊富なキャリアがある。担当する田中繊大トレーナーは「(中谷は)離れても接近戦でもボクシングができる完成度が高い選手。何度も12回戦をしたキャリアがある。そこがアドバンテージ」とストロングポイントを強調していた。