WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(33=志成)が悔しい初ドローで日本初の2階級での王座統一を逃した。WBA世界同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)と2本のベルトを懸けて対戦したが、激しい打ち合いの末、0-1で引き分け。「標的」WBC世界同級王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(32=メキシコ)の見守る中、12年のミニマム級に続く王座統一に失敗したものの、WBO王座の6度目防衛には成功した。
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リング上の井岡に、笑顔はなかった。ジャッジ3人のうち、1人がフランコ支持、2人が引き分けという0-1のマジョリティードローを耳にすると「悔しかった。勝つためにやっていたので。勝ったなと感覚ではあった。みなさんのご期待に応えられずに申し訳ない。今日の悔しさを生かして23年はまい進していきたい」と厳しい表情。ドロー防衛という試合結果を受け止めた。
前に出て連打、連打で攻めたWBA王者に対し、最後まで手を焼いた。少し下がりながら井岡は右カウンターや左ボディーをヒットさせた。相手体力を削ったはずだったが、最終12回まで勢いを止められなかった。「前半は手応えがあった。最後2回は(いつも以上に)一生懸命になった。プラン通りに戦えた」とキッパリ。ジャッジ採点については「(パンチを)もらっている感じはなかった。そういう(採点の)取り方をしているのだなと思った」と淡々と振り返った。
約4年前から対戦を熱望してきた「標的」WBC王者エストラーダが来場し、試合後には言葉も交わした。対抗王者から「フライ級時代から戦いたかった」と伝えられると、井岡は「次ぎはリングで会おう」と返した。再戦を希望するフランコ、エストラーダ戦の2つの選択肢があった場合の希望を問われ「エストラーダと戦いたい」とはっきりと口にした。
現実的にはWBOから180日以内の指名試合を義務付けられる同級1位中谷潤人(M.T)との7度目防衛戦が有力視される。井岡は「その時がくれば戦うしかない。王者として戦うだけ」と受けて立つ姿勢を貫いた。23年も井岡はファン注目のカードに臨むことになることは間違いない。
リングを下り、3歳の長男磨永翔(まなと)君、7月に誕生したばかりの大空翔(たくと)君と再会すると、ようやく笑みをこぼした。「強い父、強い王者であってあげたい」との最低限の“仕事”はクリアできた。「なかなか思い通りにはいかないが、王者として挑戦する姿をみせたい」。井岡のチャレンジ魂は燃え続けている。【藤中栄二】
◆マジョリティードロー ジャッジ3人のうち1人だけが一方の選手を支持した判定結果。規定により引き分けとなる。マジョリティーとは「多数派」の意。

