ザ・グレート・カブキさん(74)が、魔界に去る“息子”に惜別の舞を送った。

メインとなったグレート・ムタ引退試合で、ムタの入場前にリングイン。往年のコスチューム姿で、軽やかなヌンチャクさばきを披露した。

カブキさんは歌舞伎役者をモチーフにしたペイントで“東洋の神秘”として本場の米国で大ブレーク。83年に逆輸入というかたちで全日本のリングに登場し、毒霧や華麗なヌンチャクさばきで大人気になった。

89年にデビューし世界中を席巻した「悪の化身」ムタは、カブキさんの「息子」として誕生。93年6月の新日本・日本武道館IWGPヘビー級選手権試合で激突した。全米トップヒール同士の「史上最狂親子対決」は大流血戦に発展。ムタを毒霧を吹きながらの失神に追い込んだ同年5月の試合から一転し、敗北を喫した。歴史的名勝負として語り継がれている。