WBOアジア・パシフィック・ライト級王座決定12回戦が行われ、同級1位の保田克也(31=大橋)がプロ初王座挑戦でタイトル奪取に成功した。同級2位のアピチェット・ペッチマネー(33=タイ)との同級王座決定戦に臨み、3-0(115-113、116-111、119-109)の判定勝利でベルトをつかんだ。保田は「何が何でも勝つつもりでいた。うれしいです。まだまだ底辺だと思っている。もっと上を目指したい」と気を引き締めた。

4回に右フックでダウンを奪取した保田だが、逆に右ストレートを浴びてダウンを許した。アマで400試合を経験し、代表チームでも活動していたというプロ無敗のアピチェットの右やカウンターに手を焼きながらも鋭い左でボディーや顔面を狙いうち。接近戦でもみ合うシーンが多くなったが、最後まで競り合い続けた。「計量の時。相手が自信満々でパンチもあたらなかったが、自分のペースで頑張ろうと12回を戦い抜きました」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

13年国体ライトウエルター級制覇などアマ64勝(30KO)12敗の実績を持ち、中大ボクシング部では主将も務めた。就職して3年後に大橋ジムに入門。中大OB勢では6月13日、保田の1学年下となる川浦龍生(三迫)が日本スーパーフライ級王座決定戦に出場予定。2学年下の三代大訓(横浜光)が元東洋太平洋スーパーフェザー級王者、但馬ミツロが現日本ヘビー級王者、3学年下でアマチュアの岡沢セオンは21年世界選手権金メダリストとなる。最近では日本フライ級王者・永田丈晶(協栄)も中大出身だった。

保田は「特色があるメンバーです。自分が1番地味ですが、ほとんどが卒業してから強くなっている。刺激になっている」とタイトル奪取への意識を高めていたが、ついにプロ12戦目でWBOアジア・パシフィック王座をつかんだ。