元WBC世界フライ級王者で現WBO世界バンタム級5位の比嘉大吾(28=志成)が、世界ランカーとの強打者対決をKOで制した。3回にWBC同級5位ナワポン・カイカンハ(32=タイ)の右フックを浴びてロープに後退したが、続く4回2分過ぎに右フックから左ボディーブローを決めて10カウントを奪った。

結果は狙い通りも「右は効いた。自分が倒されそうだった。左ボディーが当たってよかった。安心しました」と比嘉は58勝48KO(3敗1分け)のナワポンの強さを素直に認めた。目指す世界バンタム級にはWBA王者の井上拓真と、来年2月に3階級制覇をめざしてWBC王座に挑戦する前WBO世界スーパーフライ級王者・中谷潤人の2人の日本人ライバルもいる。「相手は誰もいい。一発勝負の世界。運と練習です」。来年は2階級制覇挑戦決定の吉報を待つ。【首藤正徳】

◆比嘉大吾(ひが・だいご)1995年(平7)8月9日、沖縄・浦添市生まれ。宮城小-仲西中まで野球部。中学3年時、具志堅用高会長の現役時代のKO動画に触発され、宮古工に進学してボクシング部へ。アマは国体8強が最高成績。具志堅会長に誘われ、プロ転向。14年6月にプロデビューし、1回KO勝ち。15年にタイでWBCユース・フライ級王者、16年に東洋太平洋同級王者に。17年5月、WBC世界同級王者となり2度防衛。18年4月にV3戦前日計量で体重超過し王座剥奪。出場停止処分後、20年2月にリング復帰した後、同年6月にAmbition(現志成)ジム移籍。身長160・8センチの右ファイター。