ボクシングの元2階級制覇王者でIBF世界フェザー級7位の亀田和毅(32=TMK)が17日、自身のSNSを更新し、次戦に負ければ引退の強い決意を示した。

「前回はファンの期待を裏切る試合をした。自分の弱さを露呈した。わがままが通るならアイツとダイレクトリマッチをやりたい。今はおやじと原点に戻って自分の弱さと向き合っている。タダでわがままは言わない。負けたら引退! 亀田劇場の終幕や」

和毅は昨年10月7日、フェザー級転向初戦で南アフリカのレラト・ドラミニと対戦し、判定1-2で敗れた。今春に予定される次戦について、和毅はドラミニとのダイレクトリマッチを熱望し、プロモートする兄の興毅氏(36)が実現へ動いている。その上で和毅は退路を断つ覚悟を示した。

前回の試合後、父の史郎トレーナー(58)に指導を依頼した。

「今までは自分のやり方でそれなりに勝ってきた。キャリアも積んで、これぐらいで勝てるだろうと何となく思うようになったが、前回の試合でそれは完全に打ち砕かれた」

変化を求め、「おやじ、頼むわ」と救いを求めた。

史郎氏は和毅のボクシングを「ゼロにした」と言い、ファイタースタイルに生まれ変わろうとしている。

「前回の試合が終わって自分は後がない。いくしかない。そこはおやじとも意見が一致した。アグレッシブにいかなあかん」と受け入れた和毅は、現状を「いい感じですよ」と説明。大きな手ごたえを得ている。

今年4月に2人目の子どもが誕生予定で、7月には33歳になる。支えるべき人が増える一方、ボクサーとして残された時間は限られる。今年を「ホンマに勝負やな」と話していた和毅がまず、因縁をきっちりと精算して前へと進む。【実藤健一】