昨年末のプロボクシング日本バンタム級タイトル戦後に救急搬送され、開頭手術を受けていた元日本同級ランカー穴口一輝さん(真正)が2日午後5時38分、死去した。23歳だった。同日、日本ボクシングコミッションが発表した。昨年12月26日に東京・有明アリーナで当時の日本同級王者堤聖也(角海老宝石)に同級3位として挑戦し、3回に左ストレートで堤の右目上を切り裂き、堤に計4度のダウンを許す激戦を展開した。試合後に意識を失って都内の病院に救急搬送。右硬膜下血腫のために開頭手術を受けていた。手術後も意識は戻らず、経過観察中だったが、そのまま帰らぬ人となった。

大阪・岸和田市出身の穴口さんは戦績68勝8敗のトップアマとして活躍。6歳から岸和田市内のアマチュアジムで競技を開始すると、中学から兵庫・芦屋市の芦屋学園に進学し、中高6年間、片道2時間かけて通いながらボクシングを続けてきた。フライ級で高校2冠に輝き、芦屋大に進学。東京オリンピック(五輪)予選で敗退して五輪出場の夢が絶たれ、1年間競技から離れていた際、真正ジムの山下正人会長から誘われてプロ転向していた。プロ戦績は6勝(2KO)1敗。身長166センチの左ボクサーとして注目されていた期待のホープだった。

最後の試合となった堤戦は2日に発表された23年のボクシング年間表彰で年間最高試合(世界戦以外)に選出されていた。