WBA世界バンタム級王者井上拓真(28=大橋)が強敵を撃破し、初防衛に成功した。

同級9位となる元IBF世界スーパーフライ級王者ジェルウィン・アンカハス(32=フィリピン)の挑戦を受け、9回TKO勝ちを収めた。WBC世界同級暫定王者時代にはなし得なかった初防衛にも成功。トリプル世界戦の大舞台で、世界戦初メインイベンターを勝利で締めくくった。

記者会見での主な一問一答は以下の通り。

-試合を振り返っていかがですか

応援ありがとうございます。過去イチの強敵。良い内容、良い結果で終われたのでホッとしています。

-当てても相手は前に出てきました

相手が前に出てくるのは想定していました。そこで足を使ってポイントアウトすることもできましたが、そうするといつもの自分のつまらない試合になってしまう。あそこで打ち合って、打ち勝てたので自信になりました。

-相手選手が競技人生で最も効いた1発だったと評していました

練習時から「父からくっついたらボディ」と耳にたこが言われるくらい言われてきた。接近戦でボディも打てた。キツイ練習をしてきた効果が出た。ボディで攻めてスタミナを削ろうと思っていた。狙っていたのではなく、流れで出たパンチでした。

-朝は不安だったと話していました。最悪のパターンも想定していましたか

アンカハス選手はスーパーフライ9回防衛のチャンピオン。自分は新人くらいの感じ。自分がチャンピオンですけど、挑戦する気持ちでずっと練習をしてきました。名チャンピオンに自分がどれくらい通用するのかは試合が始まらないと分からない。始まるまで不安もたくさんあった。勝てて、今後の自信になった。

-不安をどう打ち消しましたか

練習量で消すしかない。一番コンディションもよかった。最後まで練習もできた。今回の試合が一番自信になった。不安もあったが、練習内容は一番自信になった。

-これまでのスタイルを変える決意があったのは、ソリス戦を終え、強い動機があったからですか

ソリス戦でいえば、足をつかってポイントアウト。ずっと一定の試合で退屈してしまう。試合内容でヤマ場をつくりたい、お客さんが「おっ!」と思う試合をしたいというのもある。偉大な兄がいて、兄弟である以上は、兄と比べられる。そこで自分が盛り上げたい思いが強かった。今回はこういう試合内容に変えることができた。ここまで接近戦をやるつもりはなかったが、試合を通してヤマ場をつくろうとしてきた。想定以上に接近戦になりましたが、それで良い結果になってよかった。

-スタイルを変えようと思った出来事はありますか

それはないですが、自分のスタイルに足りないものを取り入れる。井上拓真のボクシングを完成させるには、ポイントアウトだけでなく引き出しを増やす。基本は変わらないが、そこにどう攻撃的な部分を加えるのかというところです。

-井上尚弥選手からは試合前にどのようなアドバイスがありましたか

いつもそうですが、とりあえず「集中。距離をつくれ」と。基本的なアドバイスを毎回もらっています。

-この試合で覚醒したと思う。兄を超えたという実感はありますか

今日限りは超えたって言ってもいいんですかね?(笑顔)。そう言ってもらえるとうれしいです。