新日本プロレスの中心レスラーの1人で、新潟市出身の前IWGP世界ヘビー級王者SANADA(36)がこのほど、シングル戦トーナメント「NEW JAPAN CUP2024」(NJC、7~20日)の決勝が開催される長岡大会(20日、アオーレ長岡)PRのため新潟入りした。

昨年のNJC決勝も同会場で行われ、初優勝!。SANADAが2年連続で故郷に錦を飾り、地元を沸かせることを誓った。

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口調はソフトだが、決意は固い。NJC連覇へ向け、SANADAに不安はない。第1シードで11日の2回戦が初戦。「3つ勝てば(アオーレ長岡で行う)決勝。自信しかないです」。アオーレ長岡は「日本でいちばん盛り上がる会場」という大好きなアリーナ。その中で昨年は初優勝した。「この1年で成長した。今年は“説得力のあるSANADA”で行く」と風格を漂わせる。

見据えるのは連覇の先だ。優勝者は4月、両国国技館でIWGP世界ヘビー級王者の内藤哲也に挑戦する。1月の東京ドーム開催、当時挑戦者の内藤に敗れてIWGPのベルトを奪われた。2月のリターンマッチも敗北。「2回負けた。今度やるときは何かかけようと思う」。負けたら何かをする-。進んでリスクを課すほど、タイトル奪還の意志は強い。

昨年4月に当時のIWGP王者、オカダ・カズチカからタイトルを奪った。頂点に立ち、「王者としての景色、全体を見られるようになった」。メインイベントに出場し、最後に入場したときに醸し出す雰囲気、試合に臨む言動の説得力を身につけた自負がある。

最高峰のタイトルを失った今、「負けを認めた上で次に進む。あと何回這い上がれるか」。連覇は新たなスタートののろし。「新潟出身のSANADAがプロレス界を変える」。内にある野望の一端を、まずは長岡のリングで形にする。【斎藤慎一郎】

◆SANADA(さなだ)1988年(昭63)1月28日生まれ、新潟市出身。巻総合高で柔道を始め、黒帯を取得後に2年からレスリング部に入部。卒業後、全日本プロレスに入門し、07年3月にデビュー。13年に全日本退団後、フリーでの海外参戦などを経て、16年から新日本プロレスに所属。18年にIWGPヘビー級タッグ王座、22年にIWGP USヘビー級王座を獲得。23年3月のNJCで初優勝。同年4月、オカダ・カズチカからIWGP世界ヘビー級王座を奪取。182センチ、100キロ。血液型A。

○…新潟交通が運営する新潟市を巡回するバス50台の車内にNJC長岡大会のポスターが貼られている。その中の1台は全てNJCのポスターがジャック。SANADAはポスターでびっしりの車内を見て、「すごいですね」と普段のポーカーフェースを崩した。ポスターは20日の試合当日まで車内を彩る予定。同社の関係者は「バスの車内から長岡大会の機運を盛り上げていけたら」と話した。