◆横綱土俵入り もともとは神に祈る神事として行われてた。横綱土俵入りは手数(です)入りともいい、十両、幕内の土俵入りと区別される。型には雲竜型と不知火型の区別があり、違いは綱の結び目とせり上がり。起源は幕末の両横綱による。

 雲竜型は、四股を踏んでから腰を上げていく「せり上がり」時に、左手を胸付近に当てて右腕を伸ばす。攻めと守りの両方を兼ね備えた「攻防兼備の型」で、綱の結び目の輪は1つ。第10代横綱雲龍が始まりとされるが実際は第20代横綱梅ケ谷の華麗な型が基になっている。過去には貴乃花や朝青龍らが選択した。

 不知火型はせり上がる時に、両腕を伸ばす。不知火型の横綱は短命で引退した例が多かったが、白鵬は同型選択横綱として初めて優勝20回を超え、現在優勝37回。日馬富士も同型。綱は、背中部分の輪が2つになるように締めるため、雲竜型より長く重くなる。

 昭和以降、横綱に昇進した玉錦から鶴竜までの40人のうち、30人が雲竜型。現役横綱では鶴竜が雲竜型、白鵬、日馬富士が不知火型。一緒に土俵に上がる露払いと太刀持ちは、同部屋か同じ一門の幕内力士が務める。大銀杏(おおいちょう)が結えて、その日対戦しない力士が条件になる。