Q通算勝利記録は並んだ時、乗り越えた時の喜びは、それぞれ違ったか

 白鵬 並んだ時にうれしさがあったけど、超えた時も意外とうれしさがあった。相手が新大関高安で、いちばん勢いがあるお相撲さんだったし、そこでいい相撲が取れたことで喜びが倍増した。その前に1回、(タイ記録がかかった御嶽海戦で負けて)待ったがかかりましたからね。その分、良かったのかなと。

 Q待ったがかかった一番(御嶽海戦)を振り返って

 白鵬 右で張って、すぐ右上手取れた瞬間、ちょっと笑ってしまったかな。

 Qこの後は(夏巡業開始まで)少し休めるか

 白鵬 今日からふるさとに帰って、新大統領も誕生しましたし、家族を両親と会わせて、子どもたちをおじいちゃん、おばあちゃんのそばに置きたいな、という思いで帰ります。

 Q優勝回数はこの先、どれぐらいが見えるか

 白鵬 先場所は優勝が14日目だった。今回は最後の最後まで分からなかった。今まで通りに努力していけば、優勝というのは、まだまだ私にほほ笑んでいるのかなと思う。何より名古屋で優勝39回という、大台40回への大きな足固めができたなという思いです。

 Q引退も近いのではという声もある中での優勝。

 白鵬 この名古屋で足を痛めたから、その借りを名古屋でキッチリ返すことが出来た。その名古屋で応援してくれた方々、そして全国、世界中の相撲ファンに大記録を見せることが出来たことは、忘れられない思い出深い15日間、名古屋場所になり、満足感でいっぱいです。

 Q横綱を奮い立たせたものは

 白鵬 横綱である限り目標、モチベーションが自分を奮い立たせてくれた。今回、1048勝目した時、優勝したかのようだった。テレビを観れば自分、新聞を見れば自分。終わったような感じだった。だから14日目に朝起きて、豪栄道戦の前かな、気持ちが入ってこないというね。ギリギリまで自分と闘って、やっと制限時間いっぱいになって気持ちが入ってきた。あんなのは初めてですね。それほどの大記録だったんだなと14日目、しみじみとかみしめながら土俵に上がって仕切ってましたね。(後で映像で)取組を見れば(落ち着かずに)下を見たり上を見たり、自分に「いつもと一緒だ」と言い聞かせながらやりきりました。

 Q今場所も4横綱が最後までそろって15日間を全うできなかった

 白鵬 4人で千秋楽を迎えるのが最高の形。それを達成したという思いはあるし、それは何よりファンの方々が臨んでいるもの。ただケガというのは小さいの大きいのに関係なく、本人にしか分からない痛みがある。しっかり治して万全な体勢で、いつかその日が来ることを願うし、自分自身もしっかりしなければならない、というのはある。

 Q東京五輪まで今日で残り3年。常々、東京五輪への思いを語っている

 白鵬 そうですね…。いよいよ、もう3年か。5年、6年とか言っていたのがね。その東京五輪のために、心と体をしっかりかみ合わせるような努力と、準備をしたい。

 Qどんな形でかかわりたいか

 白鵬 やっぱり土俵入りですよ。4横綱いますからね。横綱4人で。露払い、太刀持ちと3人で土俵入りしたいね。