自身5度目のかど番となる大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)が、秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)での優勝を誓った。29日、東京・江東区の所属部屋での朝稽古で、7月の名古屋場所を途中休場して以来、初めて相撲を取った。平幕の宝富士、十両誉富士と合計22番取り、本場所へ自信をのぞかせた。

 両国国技館で行われた力士会で照ノ富士は、自信に満ちあふれた表情を見せた。名古屋場所を途中休場し、夏巡業も全休で落ち込んでいるかと思いきや「(状態は)かなりいい。この2年間の中で一番いいですね」と明るかった。15年名古屋場所で大関昇進後、2度左膝を手術。ここ2年間は、けがに苦しんできたが「あと5日で仕上げられる」と口にするほど、調子の良さを感じていた。そして「優勝を目指して頑張りたい」と言い切った。

 力士会前の朝稽古で、元気な姿を見せた。宝富士と誉富士を相手に、1カ月半ぶりに相撲を解禁。左四つに組み合ってじっくりと攻めたり、逆に土俵を動き回ったりして、膝の具合を確かめた。「慣らしてる段階。まだ当たってる感覚はない」と言いながらも、宝富士の息を切らせるなど、力は着実に戻ってきている。

 名古屋場所後は、母国モンゴルに約1週間帰国した。8月上旬に再来日すると、秋場所で戦う体を作った。「1日に3回の治療と2回のトレーニングを毎日繰り返した。内容は秘密」。春、夏場所で逃した大関昇進後初優勝を、今度こそつかむ準備は着々と進んでいる。【佐々木隆史】