大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で2場所連続となる通算10回目の優勝を目指す横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、徐々にペースを上げている。

 前日19日の奈良・香芝巡業で、この秋巡業で初めて稽古土俵に上がり、ぶつかり稽古で土俵の感触を確かめた。そして20日の大阪・枚方巡業では、平幕の千代翔馬(九重)を指名。約10分間、二字口付近まで下がってから仕切り、立ち合いの出足を確かめ、千代翔馬を反対の土俵まで押し込む稽古で汗を流した。

 2日連続の稽古土俵で、少しずつ土俵の感触を足で確認。古傷を抱えるヒジについては、気になるのか? という問いに「気になるんじゃなく痛い」と顔を曇らせた。苦境は続くが「炎症はね(多少は薄らいできた)。少しずつね」とペースも体と相談しながら上げていくようで「頑張りますよ」と気力を奮い立たせながら秋巡業を乗り切る。