幕下陥落から丸1年となった西幕下13枚目の豊ノ島(34=時津風)が、幸先よく白星発進した。

 今場所の1番相撲で、東幕下13枚目の白鷹山(22=高田川)と対戦。呼吸が合わず待ったする形となり、仕切り直しての相撲は、立ち合いでスパッと左が入りかいなを返しながら迷わず前進。右も差しながら得意のもろ差しで前に出て、危なげなく寄り切った。

 「ここ最近で一番の相撲」と自画自賛の相撲。土俵際で相手が、苦し紛れに小手投げで逆転を狙おうとしたが「あれは大丈夫」と、余裕十分だった。

 昨年7月の名古屋場所前の稽古で、左アキレス腱(けん)を皮下断裂し連続休場。ちょうど昨年の九州場所で土俵復帰した。幕内から一気に陥落したその時の番付は、約12年ぶりとなる西幕下7枚目。以後、2度の負け越しも喫し、番付を7枚落として迎えた今場所だった。ただ、この2場所は負傷も回復し、相撲内容も戻りつつある。7戦全勝なら、関取復帰となる幕下15枚目以内にも入って今場所を迎えている。「1年前と足の状態も全然、違うからね。もちろんワンチャンス(7戦全勝での再十両)は意識しているけど、あまり考えずに、それは4とか5連勝してから。まずは勝ち越しを目指して」と足元を見据えて本割を重ねる。