大相撲の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が29日、都内の部屋で今年最後の稽古を行った。大関高安を相手に30番取った三番稽古は26勝4敗で、現在は4場所連続休場中ながら、復調を思わせる力強い動きを披露した。

 その後は、ぶつかり稽古で高安の胸を借りたが、横綱としては珍しく、何度も転がされ、砂まみれになった。稽古後は開口一番「しんどいですね」と話したが、続けて「稽古をしてくれる相手がいなければ成立しない。(高安が)遠慮なくやってくれることに感謝」と、すがすがしい表情を見せていた。初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)に向けては「体の調子も良くなっている。(後で)このケガが良かったと思えるようになれば」と、出場に前向きな姿をのぞかせた。

 高安は、稀勢の里とのぶつかり稽古を振り返り「心を鬼にして(やった)。稽古場で遠慮してはいけないというのは、先代の親方(=元横綱隆の里で故人の元鳴戸親方)が常々言っていたこと。自分のためでもありますし、それがいいことにつながる」と話していた。