元横綱日馬富士関の暴行事件で、日本相撲協会は4日午前、東京都墨田区の両国国技館で臨時評議員会を開き、昨年秋巡業中に起きた事件の報告を巡業部長として怠るなどした貴乃花親方(45=元横綱、本名花田光司、東京都出身)の理事解任決議を全会一致で承認し、2階級降格処分が決定した。元文部科学副大臣の池坊保子議長が正式発表した。理事解任は初めて。

 池坊議長によると、協会から理事解任を伝えられた貴乃花親方は電話で「分かりました」と答えた。

 4日に仕事始めを迎えた協会は昨年12月28日の臨時理事会で、貴乃花親方の理事から役員待遇委員への2階級降格処分を決議した。貴乃花親方は、2月に予定されている理事候補選挙への立候補は可能。

 鳥取簡裁は、傷害罪で昨年12月28日に略式起訴された元日馬富士関に罰金50万円の略式命令を出した。

 評議員会は、外部有識者4人と親方出身3人の計7人で構成。4人以上の出席で成立し、その過半数の賛成で承認される。

 貴乃花親方は協会への報告義務を怠り、被害者で弟子の貴ノ岩や自身に対する協会危機管理委員会の聴取要請に非協力的だったとして処分対象となった。

 事件に関連し、元日馬富士関の師匠だった伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は理事を辞任し、役員待遇委員に2階級降格となった。現場の酒席に同席した白鵬関、鶴竜関の両横綱は減給処分を受け、八角理事長(元横綱北勝海)も3月までの報酬を全額返上するとした。