大相撲初場所(14日初日、東京・両国国技館)の新弟子検査が10日、両国国技館で行われた。元横綱大鵬の孫で、埼玉栄高3年の納谷幸之介(17=大嶽)ら9人が受検。全員が身長167センチ、体重67キロ以上の体格基準を満たした。内臓検査の結果を待ち、14日の初日に合格者が発表される。

 納谷は188センチ、166キロで身長、体重とも9人の中で最高値でパスした。71年夏場所途中で引退した時の大鵬は187センチ、153キロ。入門時で既に、偉大な祖父を体格で上回った。握力は右61キロ、左65キロで、背筋力は180キロ。示された数字で、パワーでも素材の良さを示した。

 昨秋の愛媛国体は少年で個人、団体で優勝。同12月の全日本選手権の出場資格を得たため(大会は1勝2敗で予選敗退)、デビューを1場所遅らせ、この日の受検となった。

 昨年12月19日に埼玉栄高で入門会見し、同26日には新弟子として自宅でもある、大嶽部屋に入門。早速、若い衆と同じ大部屋での生活をスタートさせ、新年は4日から稽古始め。既に幕下、三段目の力士との稽古も「多い時で30~40番ぐらい」取っているという。力士として一つの節目の日を迎え「やっと力士になれたという感じで、うれしいです」と実感を口にした。今後も「大横綱の孫」として注目され続けるが「ありがたいこと。注目されるに見合った力を、ちょっとずつでもつけたい」とブレない姿勢も口にしていた。高校の先輩にあたる大関豪栄道(境川)の相撲を理想に、今は天国で眠る祖父の背中を追う。