大相撲の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、東京・両国国技館で行われている初場所を、6日目の19日から休場することが決まった。都内の病院で診察を受け「左大胸筋損傷の疑い、左前胸部打撲」で「3週間の安静とする」との19日付の診断書を提出した。これで5場所連続休場となった。

 師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)によると、3日連続金星配給となる4敗目を喫した、前日5日目の嘉風戦で痛めたという。その取組後、部屋で話した際は、稀勢の里から「1度様子を見たい」との意見が出たが、深夜になって電話で「出場は厳しい」との連絡が入った。田子ノ浦親方は「1回様子を見よう」と返答し、この日の朝まで待ったが「本人がやっぱり厳しいということでした」(田子ノ浦親方)と、休場を正式決定した。

 稀勢の里は以前も左胸を痛めているが、田子ノ浦親方は「(負傷部位は)同じではないが近いところ」と説明した。続けて「治療して、同じことのないように体を鍛え直して自信を取り戻させたい。体は動いていたと思うけど、迷い、焦りが見えた」と話し、今後は心身ともに立て直しを図ることになる。

 今後は進退問題に発展する可能性もあるが、田子ノ浦親方は「まだまだ改善の余地はいっぱいあると思う。まだ全然やれる。(稀勢の里自身は)悔しいし、歯がゆいと思う」と、復活を信じていた。