6戦全勝が2人に絞られていた幕下は、両者が直接対決。東17枚目の若隆景(23=荒汐)が西47枚目の栃清龍(22=春日野)をはたき込みで破り、7戦全勝で優勝を決めた。昨年夏場所の三段目に続く、2度目の各段優勝となった。

 左おっつけ、左のど輪押しで攻める栃清龍に、冷静に対応。適度な間合いを取り、機を見て絶妙のタイミングではたき込んだ。「おとといぐらいから緊張していました」と優勝を決め、安堵(あんど)の表情。東洋大での実績から昨年春場所、三段目最下位格(100枚目)付け出しでデビュー。4場所連続で勝ち越したが、番付を東幕下12枚目の自己最高位まで上げた先場所、初めて3勝4敗で負け越した。その先場所は、115キロの軽量をつかれ、立ち合いから一気に持って行かれる相撲が多かったという。その反省から「今場所は(相手より)先に踏み込むことを意識した」という。その集中力が優勝に結びついた。

 荒汐部屋の、いずれも幕下に在位する「大波3兄弟」として出世を争う。今場所の番付では次男の若元春(24)が西6枚目で3勝3敗、長男の若隆元(26)が東34枚目で5勝1敗と、関取第1号争いは熾烈(しれつ)を極めそう。来場所は幕下1桁の上位で新十両を狙える位置につく。出世のスピードに追いつけなかった髪も「(千秋楽の)表彰式ではマゲを結えるかもしれない」という。東洋大の同期で、自分は副主将として支えた主将の村田(高砂)は3勝4敗と負け越したため、来場所は番付で抜く。大学のライバルとの出世争いも刺激になる。「矢後(中大→尾車、来場所の再十両は確実)、水戸龍関(日大→錦戸、今場所新十両)の同級生に負けないように頑張ります」と話した。