横綱鶴竜が、優勝争いから後退した。御嶽海に立ち合い負けして上体が起きると、まわしに触ることすらできずに一気に押し出された。10連勝から3連敗。支度部屋では、うつむきながら「勝とうとしてますね。自分の相撲を取ろうとして…」と、焦りや迷いを口にした。腰痛や左足首痛の再発を問われると「そんなこと言っても仕方ない」とけむに巻いた。

 この日、今場所初めて朝稽古を休んだ。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)は「朝は治療に行った。整体にね。どこが悪いというわけではない。疲れのピークじゃないですかね」。久しぶりの後半戦で、これまで以上の疲労がたまっていた。今日、栃ノ心が勝てば優勝を逃す。一時は賜杯に最も近かったが「とにかく悪い流れを断ち切りたい」と、優勝を意識せず自分の相撲に集中する。