大相撲春場所中日の18日、東十両14枚目の貴公俊(20=貴乃花)が会場のエディオンアリーナ大阪で暴力問題を起こした。敗れた取組後、支度部屋で付け人の序二段力士の顔面を複数回殴ったという。日本相撲協会の春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)が明かした。

 発端は付け人の不注意だった。今場所から新十両と不慣れなこともあるが、取組の出番の時間が誤って伝わり、土俵下の控えに慌てて駆け込んだ。十両の審判長を務めた境川審判部長代理(元小結両国)からその場で“遅刻”を注意された末、大翔鵬に敗れて3勝5敗。怒りの矛先はこの付け人に向けられ、暴力に発展した。

 貴乃花部屋の所属力士は現在10人で、そのうち関取は平幕の貴景勝、十両貴源治、貴ノ岩、貴公俊の4人。通常は1人の関取に2人前後の若い衆(幕下以下の力士)が付け人を務めるが、同部屋には幕下以下が6人しかいない。付け人が不足する場合、一般的には同じ一門の別の部屋から借りるが、貴乃花部屋は借りていない。そのため、1人の若い衆が複数の関取を掛け持ちしているのが現状。付け人は場所に入ると、関取の風呂の支度や取組の準備、出番の確認など多忙を極める。この日は、貴ノ岩の取組の2番後に貴公俊、その3番後に貴源治の取組が行われ、付け人たちにとっては過密スケジュールとなっていた。