西幕下筆頭の千代の海(25=九重)が、念願の関取の座を、さらに有力にした。

 既に勝ち越しを決めて臨んだこの日の6番相撲は、東幕下7枚目の村田(23=高砂)に上手出し投げで敗れ4勝2敗。白星の上積みはならなかったが、幕下15枚目以内でただ一人、全勝だった西幕下7枚目の極芯道(21=錦戸)が敗れ5勝1敗となった。幕下上位は残り1番を残すが、最後の7番相撲で千代の海が敗れても、昇進の優先順位で現状、1番手の千代の海を上回る力士は不在。来場所の新十両が確実視される。

 そんな状況から「それもあって今日は思い切り行こうと思いました。左から、かち上げてくるのは分かっているから、右をこうやって固めて」と身ぶり手ぶりで解説。大学(千代の海は日体大、村田は東洋大)時代とプロで通算1勝2敗だった相手に、押し込もうと飛び込んだ。だが、相手の四つ相撲に組まされ、左上手からの出し投げで土俵外へ放り出された。

 既に十両昇進を見据えた心の備えはある。「あれぐらい大きい(村田は約160キロ)人は、十両にいっぱいいる。そんな力士に、どう自分の力が伝わるか。来場所のためにもと思って」(千代の海)臨んだ一番だった。最後の7番相撲を締めくくり、昇進の吉報を待ちたいところだ。