幕下は、朝鬼神(25=高砂)との全勝対決を突き出しで制した西35枚目の霧馬山(22=陸奥、モンゴル出身)が、15年九州場所で三段目優勝して以来、2度目の各段優勝を果たした。

 今場所は「まわしを取って前に前に攻めたのが良かった」と自己評価。この日の一番は、相手の強烈な突き押しで、まわしを取れなかったが、それでも前に、の気持ちを忘れず押し勝って最後は突き出した。

 場所中の朝稽古で右ヒジを痛めた。師匠の陸奥親方(元大関霧島)からは、勝ち越しが決まった後に「痛かったら休場してもいい」と勧められたが「ここまで来たら」と出場し続け、白星を7つ並べた。

 自己最高位は、昨年名古屋場所の東幕下10枚目。ちょうど1年後となる7月の名古屋場所は、自己最高位を更新しそうで、念願の関取の座も見える。新十両昇進を1日でも早く果たしたいという目標には理由がある。入門時に師匠と交わした「十両に上がったらモンゴルに帰っていい」という約束だ。「まだモンゴルには(入門から)3年、帰ってない。早く帰りたいですね」。あこがれの力士は、元横綱の日馬富士、現役横綱の白鵬、鶴竜、そして「まわしを取って力を出す、自分と同じタイプ」と元横綱千代の富士の名前を挙げる。筋肉質のモンゴル出身力士がまた一人、関取として名乗りを上げようとしている。