左上腕の負傷で5月の夏場所を全休した大相撲の大関高安(28=田子ノ浦)が4日、名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて稽古を再開した。

 夏場所中も基礎運動などは行っていたが、部屋としての稽古が再開されたこの日、土俵で組む稽古を再開した。若い衆に胸を出し、土俵際まで押し込ませてから押し返す稽古など、力強い動きを見せた。

 稽古後、左上腕については「だいぶ状態はいい。稽古初日なので、そんなに飛ばしてやる必要はない。いい感覚を確かめながら、無理しないでやっていければ。徐々に(状態を)上げていって『これで全力でいける』と思えば、思い切りやっていきたい」と、焦らず調整していく計画だ。

 また、夏場所後に新大関となった栃ノ心(春日野)については「同じ地位ですし、そこは先輩、後輩は関係ない。志は一緒。毎日相撲に専念しないといけない」と、切磋琢磨(せっさたくま)していきたい意気込みを語った。その夏場所は「相撲ファンの1人として見ていた」と、中入り後の取組は連日、映像で確認したという。

 その中で「どんな相撲が、見てくれている人が喜ぶか分かった。取っている本人は、分かっているようで分かっていない。新大関(栃ノ心)は安定感のある、安心して見ていられる相撲を取っていて、お客さんも喜んでいた。自分も勉強になった」と話し、今後、さらにファンを魅了する取り口にも意欲を見せていた。