新大関栃ノ心(30=春日野)が白星スタートを切った。平幕の勢から左上手でまわしを引いて、右四つとなり、持ち前の力相撲で寄り切った。

 「プレッシャーはあったけどね、相撲をとっている間は忘れるね」。取組後は約15分の長風呂を楽しみ、上機嫌で支度部屋へ。この日から使った紫の締め込みは、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)から譲り受けた3本目。「栃乃和歌後援会」と金の刺しゅうが入ったものだ。「師匠からもらったんだから、そりゃあ似合ってるでしょ?」とうれしそうだ。

 この日の朝稽古後、食品メーカー「フジッコ」からカスピ海ヨーグルトの激励の差し入れがあった。「ジョージアのヨーグルトと一緒で、粘りがあるんだよね」。初場所から同社が週30個、部屋に届けてくれており、毎日2個平らげている。この日は同社担当者が商品の特徴にひっかけ「ねばり勝ち」の文字を入れたセンスを持参していたが、粘る間もない完勝。「2ケタ白星」「優勝」へ、粘りが発揮されるのはこれからになりそうだ。