関脇御嶽海(25=出羽海)が、西前頭2枚目千代の国(28=九重)を下して自身初の中日勝ち越しを決めた。

 立ち合いでまわしが取れずに距離ができ、突っ込んだところでうまくいなされた。体が泳いだがなんとか耐えて土俵際で残り、攻めに転じたところで再びいなされた。しかし次はその場で耐えると、すぐに体を密着させて右を差して一気に寄り切った。

 支度部屋に戻ると開口一番に「危なかった。足出なかったね」とつぶやいた。前に出る意識はあったというが、初の中日勝ち越しがかかっていただけに多少の緊張があった。「今日から初日という感じ。これからという気持ちだったけど、どうしても足が出なかった」と反省した。

 初場所は初日から7連勝したが、その後5連敗を喫し、終わってみれば8勝7敗とギリギリの勝ち越しだった。そのイメージがあるのか「やっぱり失速した、と言われたくないので」と、中日勝ち越しに満足するつもりは毛頭ない。

 単独トップに立っている優勝争い。1差で迫ってきている平幕力士への意識を問われると「全然。自分もいつ負けるか分からない」と気を引き締めた。