大相撲の貴乃花親方(46=元横綱)が25日、日本相撲協会に退職の届け出を提出したことを明らかにした。同日夕方に都内で引退記者会見を開き、年寄引退の理由を説明。弟子の貴ノ岩が被害者となった、昨年10月の元横綱日馬富士関による傷害事件に関する告発状に関しての、協会からの圧力が最大の要因だと話した。

貴乃花親方は3月9日、部屋のホームページで日本相撲協会を監督する内閣府の公益認定等委員会に告発したと発表した。元横綱日馬富士関による暴行事件に関連して、1月に理事を解任されたことや、同事件への協会の対応について「重大な疑義が生じています」と、訴えた。主なポイントは2つ。

(1)調査について 暴行事件を調査し、関係者への処分の判断材料とする報告をまとめた危機管理委が、第三者組織ではないことを問題視。「被害者の主張が全く反映されておりません」「公正中立な内容とは到底評価できないものであり、身内による全く不十分な調査と報告をもって済ませようとしています」と主張。

(2)理事解任について 当時巡業部長でありながら、巡業中に起きた暴行事件の報告を怠り、貴ノ岩への危機管理委による聴取を拒否し続けた忠実義務違反などから1月4日の評議員会で理事解任が決まった。「いずれも、法的には、解任事由に相当するような理事の職務義務違反になると認めることは困難」と反論し、評議員会から弁明の機会を与えられないまま、解任されたことを強く非難した。