新入幕の矢後(24=尾車)が25日、来年1月の初場所の番付発表にあたり、都内の部屋で会見を行った。

幕内昇進は所要10場所とスピード出世だが「少し時間がかかってしまった」と矢後。中大4年の16年にアマ横綱に輝き、17年夏場所で初土俵を踏んだ。3場所目には十両昇進を果たしたが、幕下陥落も経験。師匠の尾車親方(元大関琴風)は当時を「勝ち越したい気持ちが強くて引き気味だった」と振り返る一方で「誰もが通る道。あの試練があったから今がある」と話した。

十両昇進時から改名が注目されたが、幕内でも「矢後」のしこ名で勝負する。尾車親方は「(矢後の)両親が大事にしている名前だし、親孝行にもなる」と説明。尾車親方の頭の中ではすでに候補となるしこ名が浮かんでいるが、「琴風」襲名の可能性を問われると「もう1回琴風が生き返ってくれたらそれ以上のことはない。全然、永久欠番じゃないので」と否定はしなかった。矢後も「自分には荷が重い気もするけど、それ(襲名する)ぐらいの気持ちでやりたい」と気合を入れた。

北海道からの新入幕は、18年夏場所の旭大星(29=友綱)以来、戦後52人目。中大出身では03年春場所の兄弟子、豪風(39=尾車)以来6人目となる。