元中学横綱の神山龍一(17)が27日、都内の春日野部屋で入門会見を行った。埼玉・黒須中では中学横綱、埼玉栄高3年時に全国高校総体3位、国体少年2位と実績は抜群。初場所前の来年1月7日に新弟子検査を受ける。「栃神山」のしこ名を予定している178センチ、160キロのホープは「自分で決めた道。親方の言うことを聞いて日々精進したい」と意気込んだ。

迷いはなかった。「春日野部屋1本でした」。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)の明大での同級生、西澤正夫さん(56)が総監督を務める「入間少年相撲クラブ」出身。その縁で小学校2年時から春日野親方に目をかけられていた。中学時代には春日野部屋が埼玉・入間市で行った合宿で、稽古にも参加。当時平幕だった大関栃ノ心にも胸を出してもらったこともある。「部屋の関取衆を尊敬している」と憧れのまなざしを見せた。

小さい頃から見守ってきた春日野親方は「器用で相撲をよく知っている。ただ、今までの実績は役に立たない。全てを捨てるくらいの気持ちで、一から頑張ってほしい」と謙虚な姿勢を説いた。一方で「俺もインターハイは2位だった。あえて負けん気を出してほしい」と話した。

高校時代は山田道紀監督の方針のもと、稽古は四股やテッポウなど基礎運動が中心だった。左右で四つに組める器用さを備えるが、「まず押しを鍛えたい」と神山。師匠も焦らない。「相撲はよく知っている。あとは自分のスタイルをどれだけ早くつくれるか。まともになるには1、2年はかかる。部屋の関取を見て学んでやってほしい」。

3月5日の卒業式を待たずに、新弟子検査を経て初場所で前相撲を取る。「1年で幕下まで上がりたい」。笑顔にあどけなさの残る17歳は、堂々と目標を掲げた。